「働く」を「楽しくする」ためにできることって何だろう?

【Incrementsで働く Vol.1:海野弘成(代表取締役社長)】エンジニアを幸せにすることがより良いソフトウェア開発につながっていく

海野弘成(うみの・ひろしげ) /代表取締役社長: 京都大学在学中にプログラマとしてGoogleやはてなのインターンを経験し、在学中の2011年にプログラマのための技術情報共有サービス「Qiita」をリリース。大学卒業後の12年2月Increments株式会社を設立し代表取締役に就任。17年にはForbesのアジアを代表する30歳未満の起業家30人エンタープライズ部門に選出される。

Incrementsの手がけるサービスの「Qiita(キータ)」は、2016年、国内最大級のプログラマ向け技術情報共有サービスとして5周年を迎えました。またもう1つのソフトウェア開発チームのための 情報共有サービス「Qiita:Team(キータチーム)」も500社以上の企業に利用されています。

これらサービスを開発しているIncrementsを率いる代表取締役の海野さん。いまどのようなことを考えているのか、これからのビジョン、Incrementsでの働きがい、プライベートのことなどについて語ってもらいました。

文:Work:Q編集部 撮影:松木雄一


「エンジニアを最高に幸せにする」ためにIncrementsは存在する

――編集部

まずはミッションについておうかがいします。2017年6月にミッションを「エンジニアを最高に幸せにする」に変更しました。なぜこのミッションに変更したのでしょうか?(※:webサイトなどは順次、このミッションに変更していくとのことです)

――海野

これまでは「ソフトウェア開発をよくすることで世界の進化を加速させる。」というミッションのもと、Qiita、kobito、Qiita:Teamと開発を進めてきました。このミッションは確かに実現したいことではあるんです。

しかし開発を進めた結果、「誰のために開発をすべきなのか?」という視点が人によって違っていたり、ぶれているように思うことがあり、そのための議論を重ねることが増えてきたのがきっかけです。

Qiitaはエンジニア向け、Qiita:Teamは開発チーム向けのサービスとして、ありがたいことに利用していただいているユーザーがたくさんいます。その事実を理解してはいるのですが、「ソフトウェア開発をよくすることで世界の進化を加速させる」というこれまでのミッションにもとづいて開発を進めていくと、「何を率先して開発すべきか」、「誰を中心に据えればいいのか」が分かりづらくなることがあるんですね。

そこで「Incrementsはエンジニアのために存在している」というIncrementsのみんなが当たり前に持っている意識を明文化して、ミッションとして掲げるべきなのでは、と思ったんです。

――編集部

そのために、「“エンジニアを”最高に幸せにする」と、あえて明確にエンジニアという言葉を入れてミッションにしたんですね。

――海野

そうですね。エンジニアの方々が幸せに開発に取り組むために、エンジニアの方々が嬉しいと思ってくれるために、私たちはソフトウェアを開発していく、という姿勢をミッションを通じて打ち出すことにしました。とは言え、エンジニアの幸せだけを考えるということではないんです。

エンジニアと一緒に仕事をしている方々が不幸だとエンジニアも幸せにはなりません。エンジニアをコアに据えたミッションではありますが、エンジニアの周りにいる方々も幸せにしたいという思いはもちろんあります。

――編集部

ミッションを変えたことでQiitaやQiita:Teamがどのように変わるのか、いま見えていることはありますか?

――海野

QiitaもQiita:Teamもこれまでと同じように、ソフトウェア開発をより良くすることに取り組んでいくのは変わりません。エンジニアにとって最高に幸せかどうかという観点で捉えると、開発の優先順位が変わってきます。

例えばQiita:Teamは、ソフトウェア開発チームに属しているエンジニアに刺さるような開発に取り組んできましたが、それだけではエンジニアの幸せを実現するには不足しています。エンジニアの仕事は開発チームに閉じているわけではなく、開発チーム以外ともコミュニケーションを取ることがありますよね。

Qiita:Teamがエンジニアしか使えないことによって、開発チーム以外とのコミュニケーションが断絶してしまうといった状況は、エンジニアの幸せを阻む壁となります。そういった壁を解消するためにどのような機能を実装すべきか、どのようなサポートを行うべきか、エンジニアの使いやすさを追求するとともに、こうした課題の解決に取り組むステージにいると言えるでしょう。

日本中のエンジニアに利用されているサービスを開発できる

――編集部

新たなミッションによって、開発もやりがいを増すことになりそうですね。ちなみに海野さん自身が思うIncrementsで働くやりがいといのは、どのようなところにあるのでしょうか?

――海野

大きく分けると2つあります。1つ目は「日本中のエンジニアに利用されているサービスの拡大、改善に貢献できること」です。Qiitaはいま300万ユニークユーザーを超えていて、日本のエンジニア人口を考えると、すべての人が毎月、Qiitaで何かしらのページを見ています(※)。

※編集部注:マクロな規模でのIT人材(IT 企業及びユーザ企業情報システム部門に所属する人材)として、人材数は約 90 万人と言われている(経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」(2016年)

つまりQiitaを通じて日本中のエンジニアが利用しているサービスの開発に携われます。自分がこうしたいと思った機能が実装されれば300万人に届く。これはなかなか得られないチャレンジでしょう。

またQiita:Teamも500社以上と多くの企業に利用いただいています。チームでソフトウェア開発を行っている人たちの仕事に貢献できるというのは、開発のしがいがあるのでないでしょうか。

2つ目は「さまざまな分野でスキルの高い、信頼できる人がいて、多くを学べること」です。社員それぞれに専門分野があって、開発はもちろんですが、それ以外の分野についてもいろいろと教わる機会があります。先日は広告業界に詳しい社員が、広告業界の全体像をQiita:Teamに記事として書いてくれて、それはすごくためになりました。

自分が知っていることは積極的に共有するという文化があって、その成果として教え学び合うといった意識が根付いているのはIncrementsのいいところです。

――編集部

確かに多くの利用者に届くサービスを開発できるというのは、チャレンジングな仕事です。となると、Incrementsで働くのであれば、チャレンジ精神を持った人が向いているんでしょうか?

――海野

サービスもそうですが、会社もまだ過渡期です。開発や働き方において、いろいろとチャレンジしながら改善していく必要があるので、その変化を楽しめる人が合っていると思います。

「エンジニアを最高に幸せにする」というのは、社外の人だけでなく、Incrementsの社員も同様です。幸せにするには、どのように仕事をしていくか、どのような会社であるべきか、自分たちが最善だと思うやり方に挑戦していくことが必要です。仕事のあり方も1つのプロダクトとして開発していく、といった考え方です。

現実の制約はいろいろとありますが、それでもエンジニアとしての理想にこだわって取り組める方なら、ぜひIncrementsで働いて欲しいですね。

プライベートは「子育て」「コーヒー」「読書」

ベビーシッターの情報をQiita:Teamに書き込んで奥様と共有するなど、子育てにITツールを活用

――編集部

せっかくなので仕事以外についても教えてください。プライベートではどのような過ごし方をされていますか?

――海野

一番は子育てです。子どもがもうすぐ2歳になりますので。

――編集部

仕事と子育てのバランスはどうですか? 海野さんなりのうまくいくコツなどあったりしますか?

――海野

いかに家庭内コミュニケーションを増やすかは気を付けていますね。SlackやFacebookメッセンジャー、Qiita:Teamを使って妻と共有するようにしています。何でも思いついたら投稿する場所としてSlack、1日の子育てのスケジュールやベビシッターを調べた結果など、ある程度たまった情報を書き込む場所としてQiita:Team、ちゃんと返事が欲しい場合はFacebookメッセンジャーといった感じで使い分けています。

――編集部

さすがエンジニアですね(笑)。社員の方は結構ツールを活用されているかもしれませんね。今度、みなさんに聞いてみます。ところでコーヒー好きで喫茶店やカフェ巡りもされているとか。

――海野

スペシャリティコーヒーやサードウェーブコーヒーをきっかけにコーヒーが好きになりました。会社の下にコーヒースタンドがあって、そこではほぼ毎日買います。渋谷にはブルーボトルコーヒーが影響を受けた「茶亭羽當(さてい・はとう)」という喫茶店があって、そこにもたまに行ってます。考え事をしたり、本を読んだり、ちょっとした気分転換に利用してます。

――編集部

いまお話に出た本ですが、最近は何を読まれていますか?

――海野

最近だと社員から勧めてもらった『ほめる技術』を読みました。経営という立場から『HARD THINGS(ハード・シングス)』は何回も読んでいますね。堅めの本だけじゃなくて、最近ようやく『マスター・キートン』を大人買い(笑)で全巻手に入れて、制覇しました。

――編集部

マスター・キートンは電書がないみたいですね。待てずに買ってしまうお気持ちも分かります(笑)。お仕事の話からプライベートの話まで、本日はありがとうございました!

いかがでしたでしょうか。Increments代表としての海野さんの考え方、仕事以外のプライベートについてなど、人となりが伝われば嬉しく思います。Incrementsのサービスについて興味を持たれた方はぜひサイトをのぞいてみてください!


Increments
Incrementsは、「エンジニアを最高に幸せにする」をミッションにしているスタートアップです。エンジニアの方々が幸せに開発できるために、エンジニアの方々が嬉しいと思ってくれるために、私たちはソフトウェアを開発に取り組んでいきます。

Qiita
Qiitaは、知見を共有しスキルを高めることができる、プログラミングに特化したオープンな情報共有コミュニティです。

Qiita:Team
Qiita:Team は、チームの生産性を高めるために開発された社内向け情報共有ツールです。チームメンバー が簡単、気軽に情報を書き込んで、それが適切なメンバーと共有され、共有された内容について活発にコミュニケーションを取ることができるサービスです。